今日は!終活ブロガーのケンジです。
突然の事故や病気、高齢による体力の低下などで、身内が介護が必要になることは誰にでも起こり得ることです。しかし、介護というと何から始めればいいのかわからない、どんなサービスがあるのか知らない、という人も多いのではないでしょうか?
介護はある日急に始まるものですが、慌てずにやるべきことを順番に進めていけば、スムーズに対応することができます。
現役介護士でサービス提供責任者の経験を持つ終活ブロガーのケンジが介護が必要になったらまず何をすべきかを分かりやすく解説します。
身内で介護が必要になった時家族が取る4ステップ
- 地域包括支援センターに相談する
介護が必要になったら、まずは地域包括支援センターに相談しましょう。地域包括支援センターは、高齢者の総合的な相談窓口です。介護の進め方やサービスの利用方法、費用や手続きなど、様々な質問に答えてくれます。
地域包括支援センターには、社会福祉士や保健師、ケアマネジャーという専門職が常駐しています。ケアマネジャーは、介護のプロフェッショナルであり、家族の状況や希望に合わせて最適な介護プランを作成してくれます。
地域包括支援センターは全国に約7,000カ所あります。区役所や市役所などに併設されている場合もあります。自分の住んでいる地域の地域包括支援センターを探すには、以下のサイトで検索できます。
- 要介護認定を受ける
地域包括支援センターで相談した後は、要介護認定を受ける必要があります。要介護認定とは、介護保険制度の中で、介護が必要な人の状態を客観的に評価する仕組みです。
要介護認定を受けると、「自立」「要支援1」「要支援2」「要介護1」「要介護2」「要介護3」「要介護4」「要介護5」という7段階のレベルに分類されます。このレベルによって、利用できるサービスや負担額が決まります。
要介護認定を受けるには、市町村に申請する必要があります。申請すると、市町村から訪問してくれる調査員が、介護が必要な人の身体や生活状況を調べます。その結果をもとに、厚生労働省が定めた基準に従って、要介護度が判定されます。
要介護認定は、介護保険を利用するための必須の手続きです。介護が必要になったら、早めに申請しましょう。
- ケアプランを作成する
要介護認定を受けたら、次にケアプランを作成する必要があります。ケアプランとは、介護の計画書のことです。どんなサービスをどれだけ利用するか、どんな目標を設定するかなど、具体的な内容が記されています。
ケアプランは、ケアマネジャーが作成してくれます。ケアマネジャーは、介護が必要な人や家族の意向を聞きながら、最適なケアプランを提案してくれます。ケアプランは、介護が必要な人や家族が納得できるものでなければいけません。不明点や不満点があれば、遠慮せずに伝えましょう。
ケアプランが完成したら、市町村に提出します。市町村は、ケアプランの内容を確認して承認します。承認されたら、いよいよ介護サービスの利用が始まります。
- 介護サービスを利用する
介護サービスとは、介護保険制度のもとで提供される様々なサービスのことです。在宅介護サービスと施設サービスに分かれています。
在宅介護サービスとは、自宅で生活しながら利用できるサービスです。例えば、訪問介護や訪問看護、通所リハビリやデイサービスなどがあります。これらのサービスは、自宅で安心して暮らせるように支援してくれます。
施設サービスとは、施設に入居して利用できるサービスです。例えば、特別養護老人ホームや有料老人ホーム、ショートステイやレスパイトケアなどがあります。これらのサービスは、施設で快適に暮らせるように支援してくれます。
介護サービスは、自分の要介護度やケアプランに応じて利用できます。ただし、すべて無料ではありません。一部自己負担が必要です。自己負担額は、収入や家族構成などによって異なります。詳しくは市町村やケアマネジャーに相談しましょう。
介護保険について
介護保険の簡単な概要
あなたの身内が突然、事故や病気で介護が必要になったら、どうしますか?介護は大変なことですが、一人で悩まずに、介護保険制度を利用してみましょう。
介護保険制度は、65歳以上の高齢者や40歳以上の障害者が、自分の収入や貯蓄に関係なく、必要な介護サービスを受けられるようにする制度です。介護保険制度を利用するには、まず要介護認定を受ける必要があります。
要介護認定とは、どのくらい介護が必要なのかを判断する手続きです。要介護認定を申請すると、市区町村から専門家が自宅に訪問して調査を行います。
その結果に基づいて、要支援(軽度)か要介護(重度)かが決まります。要支援・要介護の認定を受けると、ケアマネージャーという専門家と契約して、自分に合ったケアプラン(介護サービスの計画)を作成します。
ケアプランには、どんなサービスをどれだけ利用するかが書かれています。例えば、ヘルパーによる訪問介護やデイサービスなどです。ケアプランに従ってサービスを利用するときは、一部自己負担が必要です。自己負担額は、収入や利用するサービスの種類・量によって異なります。
また、自己負担額の上限もありますので、安心してください。介護保険制度は、あなたやあなたの身内が安心して暮らせるようにするための制度です。もしものときに備えて、今から知っておくことが大切です。
介護保険についてのまとめ
介護保険とは
– 40歳以上の人が加入する国民保険制度です。介護が必要になった場合、自己負担額の一部を除いて、さまざまなサービスを受けることができます。
– 要支援・要介護の認定を受けることで利用できます。認定を受けるには、市区町村の窓口に申請する必要があります。認定は、医師やケアマネージャーなどの専門家が行います。
– 在宅サービスや施設サービスなど、多様なサービスを提供しています。利用するサービスは、ケアプランという計画書に基づいて決められます。ケアプランは、ケアマネージャーと相談して作成します。
介護保険のメリット
– 介護保険のメリットは、自分や家族の負担を軽減できることです。自己負担額は、所得やサービスの種類によって異なりますが、一般的には10%程度です。また、月額上限額制度や低所得者減免制度などもあります。
– 介護保険のメリットは、自分の希望に沿ったサービスを選べることです。在宅サービスでは、訪問看護や訪問入浴、デイサービスなどがあります。施設サービスでは、特別養護老人ホームやショートステイなどがあります。
– 介護保険のメリットは、専門家の支援を受けられることです。ケアマネージャーは、利用者や家族のニーズや状況を把握し、最適なケアプランを作成します。また、サービス提供者や医療機関とも連携し、円滑なサービス提供を促進します。
介護サービスの種類
介護が必要になったとき、どんなサービスが利用できるのでしょうか?
介護保険制度では、さまざまな種類の介護サービスが提供されています。ここでは、その中から代表的なものを紹介します。
居宅サービス
居宅サービスとは、自宅で生活している人に対して、訪問や通所などの形で提供されるサービスです。居宅サービスには以下のようなものがあります 。
- 訪問型のサービス
- 訪問介護:ホームヘルパーが自宅を訪れて、食事や排泄などの身体介護や、掃除や買い物などの生活援助を行います。
- 訪問入浴介護:入浴専用車両が自宅を訪れて、入浴介助を行います。
- 訪問看護:看護師が自宅を訪れて、医療行為や医療器具の管理などを行います。
- 訪問リハビリテーション:理学療法士や作業療法士などが自宅を訪れて、リハビリを行います。
- 居宅療養管理指導:医師や看護師などが自宅を訪れて、療養上の管理や指導を行います。
- 通所型のサービス
- 通所介護(デイサービス):送迎車で施設に通って、食事や入浴、リハビリ、レクリエーションなどを受けます。
- 通所リハビリテーション(デイケア):送迎車で施設に通って、医師や看護師、理学療法士などによるリハビリを受けます。
- 短期入所型のサービス
- 短期入所生活介護(ショートステイ):数日から2週間ほど施設に入所して、食事や入浴、排泄などの生活支援やリハビリを受けます。
- 短期入所療養介護(ショートステイ):数日から2週間ほど施設に入所して、医師や看護師による医療ケアやリハビリを受けます。
施設サービス
施設サービスとは、自宅ではなく施設で生活する人に対して提供されるサービスです。
施設サービスには以下のようなものがあります 。
- 介護保険施設
- 介護老人保健施設:医療と介護の両方を必要とする人が入所して、医師や看護師、介護職員によるケアやリハビリを受けます。
- 介護療養型医療施設:医療と介護の両方を必要とする人が入所して、医師や看護師、介護職員によるケアやリハビリを受けます。介護老人保健施設よりも医療的なケアが強調されます。
- 老人ホーム:自立した生活ができる人が入所して、食事や入浴、レクリエーションなどのサービスを受けます。介護サービスは基本的には提供されません。
- 特別養護老人ホーム
- 特別養護老人ホーム:要介護度が高い人が入所して、食事や入浴、排泄などの生活支援やリハビリを受けます。介護職員によるケアが中心ですが、医師や看護師も常駐しています。
- グループホーム
- グループホーム:認知症の人が少人数で共同生活をする施設です。介護職員が24時間体制で見守り、食事や入浴、排泄などの生活支援を行います。家庭的な雰囲気を大切にします。
その他のサービス
その他のサービスとは、居宅サービスや施設サービスに分類されないサービスです。その他のサービスには以下のようなものがあります 。
- 地域密着型サービス
- 小規模多機能型居宅介護:訪問型と通所型の複合型のサービスです。利用者のニーズに応じて柔軟に対応します。
- 看護小規模多機能型居宅介護:小規模多機能型居宅介護に加えて、看護師による医療的ケアも提供します。
- 地域密着型通所介護:通所介護と同様ですが、地域住民との交流や地域資源の活用を重視します。
- 福祉用具貸与
- 福祉用具貸与:車いすや歩行器などの福祉用具を貸し出すサービスです。利用者の自立した生活を支援します。
- 住宅改修費助成
- 住宅改修費助成:手すりや段差解消などの住宅改修にかかる費用の一部を助成する制度です。利用者の安全な生活環境を整えます。
介護サービスの選び方
介護サービスは、自宅で受ける在宅サービスと施設で受ける入所サービスに分けられます。
どちらを選ぶかは、介護する人とされる人の希望や状況によって異なります。
在宅サービスは、自宅で生活しながら必要なサービスを受けられるメリットが魅力です。
しかし、家族や近隣との関係や安全性などの問題もあります。
また、24時間体制での介護が必要な場合は、家族の負担が大。
入所サービスは、施設で専門のスタッフによる介護を受けられるメリットがあります。
しかし、自宅を離れることや施設の環境やルールに慣れることなどのデメリットも。
また、入所施設には定員や待機者が多い場合もあります。
どちらのサービスを選ぶかは、介護する人とされる人が納得できるように、十分な情報収集や相談を行うことが必要です。
介護費用の負担
介護が必要になると、介護サービスや介護用品、住宅改修などの費用が発生します。これらの費用は、一部は公的な制度で補助されますが、大部分は自己負担となります。
具体的には、以下のような費用がかかります 。
- 介護サービス費用:介護保険制度で利用できるサービス(訪問介護やデイサービスなど)の利用料金の1割(所得によって2割や3割になる場合もあります)を自己負担します。また、食事や交通費などの実費分も自己負担です。
- 介護用品費用:オムツや車椅子などの介護用品は、一部は介護保険制度で補助されますが、上限額や条件があります。それを超える分や対象外のものは自己負担です。
- 住宅改修費用:手すりや段差解消などの住宅改修は、一部は介護保険制度や福祉用具貸与制度で補助されますが、上限額や条件があります。それを超える分や対象外のものは自己負担です。
これらの費用は、月額で数万円から数十万円にも及ぶ場合があります。そのため、早めに家族で話し合って予算を決めることが大切です。
介護の心構え
介護は誰にでも起こり得ることで、突然のことも多いですよね。
そんなとき、どうすればいいのか、どんな準備が必要なのか、悩む方も多いのではないでしょうか。
そこで、「介護の心構え」を自宅で介護する場合と施設に入居する場合のそれぞれのメリットやデメリット、注意点やポイントをご紹介します。
参考にしていただければ幸いです。
自宅で介護する場合
自宅で介護する場合のメリットは、やはり身内と一緒に暮らせることです。
自分の家で安心して過ごせるという心理的な安定感は大きいですし、家族の絆も深まるかもしれません。
また、自分のペースで生活できるという自由度も高いです。
自宅で介護する場合のデメリットは、負担が大きいことです。介護は時間的にも精神的にも体力的にも大変な仕事です。
特に24時間体制で対応しなければならない場合は、自分の時間や休息が取れなくなります。また、家族間のコミュニケーションやトラブルも起こりやすくなります。
自宅で介護する場合の注意点は、サービスや制度を利用することです。
介護保険制度をはじめ、訪問介護やデイサービスなど様々なサービスがあります。
これらを上手に利用することで、負担を軽減したり、専門的なケアを受けたりできます。
また、地域のネットワークや支援団体も活用しましょう。相談したり、情報交換したりすることで、孤立感や不安感を和らげることができます。
自宅で介護する場合のポイントは、自分自身の健康管理をすることです。
介護者は自分のことを後回しにしがちですが、それでは長期的に続けることができません。
自分の体調や気持ちをチェックし、必要なら医療機関やカウンセリングなどを受けましょう。
また、適度に息抜きや趣味を楽しむことも大切です。自分が元気でいることが、最終的には介護される方のためにもなります。
施設に入居する場合
施設に入居する場合のメリットは、プロのスタッフによる24時間体制のケアが受けられることです。
施設では医療や看護・介護・リハビリなど様々なサービスが提供されます。
また、同じような境遇の方との交流やレクリエーションなどもあります。施設に入居する場合のデメリットは、自宅を離れなければならないことです。
自分の家で暮らすことにこだわりがある方や、家族と離れることに抵抗がある方は、精神的に辛いかもしれません。
また、施設によっては費用が高かったり、入居条件が厳しかったりすることもあります。
施設に入居する場合の注意点は、事前に施設を見学や相談をすることです。
施設にはさまざまな種類や特徴があります。
自分のニーズや希望に合った施設を選ぶためには、実際に現地に行って見学したり、スタッフや入居者と話したりすることが大切です。
また、重要事項説明書や契約書などもしっかり読んで、費用やサービスの内容、退去条件などを確認しましょう。施設に入居する場合のポイントは、早めに準備を始めることです。
施設への入居は、介護度や待機状況などによってはすぐにできるとは限りません。
特に人気の高い施設や公的な施設は、数年待つこともあります。
そのため、元気なうちから候補の施設を探しておくことがおすすめです。
また、入居資金や生活費の準備も必要です。
介護保険制度や住宅ローン減税制度などを利用して、賢く資金計画を立てましょう。
まとめ
介護は大変なことですが、事前に準備や情報収集をしておくことで、少しでもスムーズに進められるようになります。
また、家族や友人、専門家などに相談したり協力してもらったりすることも大切です。
介護は、人生の中で最も大変な経験の一つかもしれません。
しかし、介護は、家族の絆を深める良い機会にもなります。
介護に当たっては、心身ともに健康に過ごせるように、自分自身のケアも忘れずに行うようにしましょう。